アフターピルの比較 | 飲み方・種類で避妊効果・副作用が変わる

望まない妊娠を避けるための最終手段としてアフターピルは、避妊失敗のときにすぐに服用できるよう常備しておくことをおススメします。

 

 

 

■アフターピル(緊急避妊薬)とは?

前もって定期的に服用する避妊薬ではなく、性交渉後に飲む薬がアフターピルです。
あくまで緊急的な場合での避妊法で望まない妊娠を避けるための最終手段として使用される薬です。

 

アフターピルは、排卵と受精卵の着床の両方を抑制する薬なので受精後でも効果があります。
緊急避妊薬に含まれる女性ホルモンが排卵を遅らせ、子宮内膜への着床を阻害することで避妊効果が期待できます。

 

アフターピルは低用量ピルとは違いホルモンバランスを急激に変化させることで効果を発揮する薬なのであくまで緊急用の薬と心得ておきましょう。
一方、低用量ピルは定期的に飲むことで徐々に排卵を抑制する薬です。
また、アフターピルは中絶薬ではないため、受精卵が着床してから服用しても効果はありません。

 

避妊をせずに性交渉を行ってしまったり、コンドームが破れてしまったというときにアフターピルは自分の身を守るためにも知っておきたい薬です。

 

アフターピルの避妊率は100%ではありません。
薬を服用しても妊娠してしまうこともありますので覚悟しておきましょう。
また、服用方法が間違っていたりきちんとした用量が服用できなかったりすると避妊効果が得られない可能性があります。

 

アフターピルは、望まない妊娠を避けるための最終手段として万が一のためにお守りとして所持しておくと良いでしょう。

 

 

 

■ノルレボ法とヤッペ法の緊急避妊の違い

緊急避妊のためにピルを使った方法としてノルレボ法(LNG法)とヤッペ法の2種類あります。
それぞれ使うピルの主成分・服用方法が異なります。

 

【ヤッペ法】
ヤッペ法は、2011年までは一般的に行われていた緊急避妊法で中用量ピルを服用する方法です。
主な中用量ピルには「プラノバール」や「オブラルG」などがあり主成分はノルゲストレル・エチニルエストラジオールです。

 

服用方法は性交後72時間以内に中用量ピルを2錠服用し、またその12時間後に2錠服用します。
中用量ピルを使うので嘔吐などの副作用が出る確率が高い。

 

 

【ノルレボ法】
主成分がレボノルゲストレルであるノルレボ錠を使った緊急避妊法です。
ノルレボ錠は2011年に日本で初めて承認を受けた現在唯一の緊急避妊薬です。
服用方法はノルレボ錠(1錠当たりレボノルゲストレル0.75mg)を性交後72時間に2錠服用します。
もし錠剤が1.5mgであれば1錠の服用になります。
もし72時間を超えても120時間以内であれば効果があるとされています。
副作用は少なく、妊娠回避率も高いのが特徴です。

 

 

現在はレボノルゲストレルを使ったノルレボ法が緊急避妊法として主流となっています。

 

 

 

■アフターピルの比較

主成分によってアフターピルを分類することができます。
主に「レボノルゲストレル」と「ウリプリスタール酢酸エステル」を主成分としたアフターピルに分類することができます。

 

●レボノルゲストレルが主成分のアフターピル

レボノルゲストレルが主成分のアフターピルには1錠(1.5mg)と2錠(0.75x2)のタイプがあります。
1回服用か2回に分けての服用の違いはありますが、主成分は同じなので効果に大差はなさそうです。
1錠タイプ:レボノルゲストレルが1.5mgなので副作用の確率が高い。1回飲めばいい。
2錠タイプ:1錠当たり0.75mgなので副作用はほとんどない。2回目の飲み忘れが起こりやすい。

 

 

〇ノルレボ(純正)
タイプ:1錠
製造会社:HRA Pharma(フランス)
日本で初めて認可された緊急避妊薬。72時間以内の服用で約84%の避妊効果が期待できるという報告があります。
早ければ早いほどより高い効果が期待できます。
WHOからエッセンシャルドラッグとしても指定され、世界約50カ国で販売されています。
あすか製薬、武田薬品工業のノルレボもあります。

 

 

〇アイピル(ジェネリック)人気No1
タイプ:1錠
製造会社:Acme Formulation Pvt. Limited(インド)
世界の多くの国で使用されている人気のアフターピル。
24時間以内の服用で95%、72時間で84%の妊娠回避効果が報告されています。
日本の病院で処方されるノルレボ錠のジェネリック医薬品なので同様の効果が期待できます。
ジェネリックなのでお得価格がいい。

 

 

〇ノルパック(ジェネリック)
タイプ:2錠
製造会社:ABCA Pharma Lab(タイ)
性交渉後、3日間以内に1錠目を服用、12時間後にもう1錠を服用します。
この薬の服用により卵巣・卵管・子宮内膜に対して排卵・受精・着床のすべての過程において妊娠を阻止させる作用があります。
たとえ受精まで起きたとしても子宮内膜への着床を防ぐので望まない妊娠を防止できるとされています。
失敗率は 2.5%程度とされています。

 

 

〇ポスティノール(ジェネリック)
タイプ:2錠
製造会社:Gedeon Richter(ハンガリー)
Gedeon Richter社のポスティノール(Postinor)の主成分は日本でも認可されているレボノルゲストレルでプロゲステロン薬(黄体ホルモン薬)と呼ばれる種類の薬で「ノルレボ錠」と同成分です。
ノルレボジェネリックです。
ポスティノールは72時間以内に服用することで排卵の抑制・遅延、着床阻害をし、望まない妊娠を避けることができる薬です。
ただし臨床試験結果のとおり完璧に妊娠を回避できるわけではありません。
性交後72時間以内に1.5mg(2錠)を1回経口投与してください。
性交後できるだけ早急な使用が効果を高めるとされています。
2回に分けて飲むタイプなので副作用がほとんどない。

 

 

〇マドンナ(ジェネリック)最安値
タイプ:2錠
製造会社:Biopharm Chemicals(タイ)
マドンナはヤッペ法が用いられていて性行為後72時間以内に1錠服用、その後、12時間後にもう1錠服用します。
このアフターピルは72時間以内の服用で避妊効果は約98%あるという報告があります。
ただしヤッペ法という服用方法が用いられていて2回に分けての服用が必要なので副作用が強く出る傾向があります。頭痛、めまい、倦怠感や嘔吐などの副作用が認められています。
2錠目の服用を忘れがちなので要注意。

 

 

 

 

●ウリプリスタール酢酸エステルが主成分のアフターピル

レボノルゲストレルより効果的。しかも性交後120時間以内に内服すれば効果を発揮します。(レボノルゲストレルは72時間以内)
ノルゲストレルの72時間以内服用の避妊率は84%に対し、ウリプリスタール酢酸エステルの120時間以内服用の避妊率は95%と高いです。
ただし価格は高価です。

 

 

 

〇エラワン(純正)
タイプ:1錠
製造会社:HRA Pharma(フランス)
性交渉後5日以内に服用するアフターピル。
比較的効果が高いとされる次世代緊急避妊薬で性交渉後5日以内に服用することで95%以上の妊娠防止効果があるといわれています。
これまでのアフターピルとは異なり5日以内の服用で約95%以上の避妊効果があるという優れもの。

 

 

〇エラ(ジェネリック)効果最大
タイプ:1錠
製造会社:Abdi ibrahim(トルコ)
エラに含有されている有効成分のウリプリスタール酢酸エステルは、プロゲステロン受容体に作用することで排卵の抑制、子宮内膜の変化により優れた避妊効果を発揮します。
エラは従来の緊急避妊法と異なり、120時間以内の服用でも効果を発揮するのが大きな特徴です。

 

 

 

比較一覧
ノルレボ レボノルゲストレル 1錠1.5mg 2,314円 72時間84%
アイピル レボノルゲストレル 1錠1.5mg 1,234円 72時間84% 人気No1
ノルパック レボノルゲストレル 1錠0.75mgx2 1,178円 72時間81%
ポスティノール レボノルゲストレル 1錠0.75mgx2 1,007円 72時間84%
マドンナ レボノルゲストレ 1錠0.75mgx2 753円 72時間84% 最安値
エラワン ウリプリスタール酢酸エステル 1錠30mg 4,555円 120時間以内服用95%
エラ ウリプリスタール酢酸エステル 1錠30mg 3,538円 120時間以内服用95% 効果No1

 

人気No1は「アイピル」、最安値は「マドンナ」、最も効果が高いのが「エラ」となります。
服用が早ければ、避妊率は高くなります。できれば12時間以内に飲むのが理想です。

 

 

 

■アフターピルの入手方法と価格

〇病院処方
通常は婦人科を受診して処方してもらいます。
薬局では市販されていません。

 

病院ではノルレボ錠が処方される機会がほとんどです。ただし費用が高くなり、10,000~20,000円ほどかかります。
日本で承認されている緊急避妊薬はノルレボ錠のみですが、病院によってはノルレボ錠のほか月経不順や月経痛の治療に使用されるプラノバールという中用量ピルが処方されることがあります。

 

中用量ピルのプラノバールはヤッペ法と言われ2011年以前の方法です。
効果はノルレボより低く副作用のリスクは高いですが、価格は5,000円前後で安くなっています。

 

何れも保険適用外で自由診療なので病院によって価格が異なります。
全ての婦人科で取り扱っているとは限らないので対応しているかどうか、確認してから受診するとよいでしょう。できるだけ早い段階で服用することが何より大切です。

 

 

〇通販で入手
通販はわざわざ病院に行かず、格安で手に入れられるので人気です。
ジェネリックなどもあり、価格も1,000~2,000円程度で購入できます。

 

一番のネックは必要になってから注文しても間に合わないことです。
性交後72時間以内の服用だったり、薬によっては120時間以内の服用が求められますが、通販で注文しても間に合わないケースがあります。
理想は性交後12時間以内なので常に携帯できるよう前もって準備しておくとよいでしょう。

 

 

 

■アフターピルはこんなときに飲む

アフターピルを飲むケースとして
・避妊ピルを飲み忘れてしまった。
・危険日なのに避妊をしなかった。
・コンドームが破損し避妊に失敗してしまった。
・途中からコンドームを付けた。
・コンドームを付けずに膣外射精をした。
・強制的性交で避妊ができなかった。

 

このような状況で妊娠を望まない場合にアフターピルを服用します。

 

 

 

■アフターピルで避妊効果を高めるためには

アフターピルで避妊効果を高めるために最も重要なことは「いつ飲むか」ということです。
性交直後から12時間以内に飲めば、妊娠のリスクはかなり低くなります。
そして服用の時間の経過とともに避妊率は低下します。

 

〇ノルレボ錠の場合
12時間以内:99.5%
24時間以内:95%
72時間以内:84%
120時間以内:63%
2錠タイプの場合、2錠目を飲み忘れると避妊率が大きく低下します。

 

 

〇ウリプリスタール酢酸エステルの場合
120時間以内:95%
12時間・24時間以内の服用であれば、かなり高い確率で避妊できます。

 

 

 

薬の効果は、次の生理が予定通りに来ることにより証明されます。
通常、服用後21日以内に生理が確認できれば、完了となります。
もし、生理が予定日より10日を過ぎてもこない場合、妊娠の可能性がありますので検査しましょう。

 

 

 

■アフターピルの副作用は?

アフターピルの副作用は個人差が大きく、症状が現れる人もいれば現れない人もいます。
ピル服用でホルモンバランスの急激な変化が起こり、服用時の体調によっても現れ方は異なります。
ただ現在主流のノルレボ系の避妊薬はほとんど副作用がありません。

 

主な副作用は
・気持ち悪くなり、吐き気やもどしてしまう。
・頭痛やめまいがする。
・下腹部の痛み。
・イライラしやすくなる。
・倦怠感を感じる。
・むくみやすくなる。
・正出血が起こることもある。

 

実際の調査では吐き気(2.25%)、頭痛(1.38%)、出血(1.21%)と軽微です。
2錠に分けて服用するタイプはさらに副作用が低くなります。

 

飲酒はノルレボ錠の効果に影響を与えることはありませんが、副作用を増幅させる可能性がありますので注意しましょう。
服用前から飲酒していないことが理想ですが、服用後24時間は飲酒を控えるようにしたいですね。
喫煙者がノルレボを服用しても問題ありません。

 

 

以前のヤッペ法では中用量ピルを使用するため副作用が強く出る傾向にありました。
またヤッペ法の場合、喫煙者は血栓症のリスクがあるので禁忌薬となっています。

 

 

副作用の症状が治まらずに体調が悪化する場合は、医師に相談しましょう。

 

 

 

■よくある質問

○アフターピルを飲めば、コンドームは不要!?
ピルは避妊には効果がありますが、クラミジアなどの性感染症の予防にはなりません。
性感染症予防のためにもコンドームを使用しましょう。
アフターピルはコンドームが破れてしまたなどの緊急事態のときに飲むようにしましょう。
ピルはホルモンのバランスを崩しますのでセックスのたびに飲むのは決して良いとは言えません。

 

〇アフターピルを服用した後の生理はどうなるの?
早い人で3日後に、遅くとも3週間以内に生理が来ます。
3週間過ぎても生理がこなければ避妊に失敗したかもしれないので妊娠検査薬などで確認して下さい。

 

 

〇もし吐いてしまったらどうすればいいの?
万が一、服用したあとに嘔吐してしまった場合、3時間以上経過していれば、薬は体に吸収されていますのでそのまま安静にしましょう。
もし服用してから2時間以内に嘔吐してしまった場合は、吐き気が治まるのを待ってから再び薬を飲む必要があります。ちなみに2回目に同じ薬を飲んだ場合の嘔吐はほとんどありません。

 

 

〇飲酒は薬の効果に影響を与えることはありませんが、副作用を増幅させる可能性がありますので注意しましょう。
服用前から飲酒していないことが理想ですが、服用後24時間は飲酒を控えるようにしたいですね。

 

 

〇喫煙してもいいの?
ピルはタバコとの相性が良くありません。
喫煙しながらピルを服用すると血栓症の副作用を引き起こす可能性があります。
血栓症とは、血液の中に血栓と呼ばれる血の塊ができて血流を妨げてしまう病気です。

 

喫煙は血液の流れを悪くし、アフターピルには血液を凝固させる成分が含まれています。
喫煙とアフターピルの組み合わせは、血栓症のリスクを高めるのです。
1日15本以上吸っている方は、ピルは禁忌薬(飲んではいけない薬)と規定されています。

 

 

〇アフターピルは連続使用できる?
アフターピルは、あくまで緊急の避妊の薬です。
一時的とはいえ、ホルモンバランスを大きく変動させるため、体への負担も大きくなります。
ホルモンのバランスが崩れれば、将来的に不妊の原因にもなりかねません。
連続使用はできるだけ避け、アフターピルに頼らない避妊を心がけましょう。

 

アフターピルではなく「トリキュラー」などの低容量ピルを使って避妊した方が良いでしょう。

 

 

〇授乳中にアフターピルは使える?
母乳に移行するのでアフターピル服用後24時間は授乳を避けるようにしましょう。

 

 

〇服用時にすでに妊娠していた
事後避妊の効果を持つアフターピルですが、すでに妊娠している場合は妊娠継続を絶つことはできません。
妊娠しているかもしれない場合は、アフターピルを服用する前に妊娠検査薬を試すか、産婦人科で妊娠検査を行いましょう。
仮に妊娠している状態で飲んでしまうと母体にかなりの負担がかかる恐れがあります。

 

 

〇2回目の服用を忘れてしまった
二回目を飲み忘れてしまった場合には、飲み忘れに気づいた時点で早く服用することが重要です。

 

 

〇アフターピルの使用期限は?
一般に未開封の状態で3~5年が使用期限です。
箱に印字されていますので確認してみましょう。

 

 

 

■アフターピルのまとめ

アフターピルは、望まない妊娠を避けるための最終手段です。
この避妊方法が失敗する可能性もあります。
アフターピル(緊急避妊薬)を服用することがないように日頃から確実な避妊方法を選択するようにしましょう。

 

一番人気のアフターピルは1錠タイプの「アイピル」。
副作用が最も少ないのは2錠タイプの「マドンナ」、しかも最安値。
何れも72時間以内の服用を推奨しています。

 

一方、72時間過ぎてもOKで120時間以内の服用でも高い効果を発揮するのは「エラ」。
ただちょっと高額です。

 

24時間以内の服用ができるのであれば、「アイピル」、72時間を過ぎてから飲むのであれば「エラ」をおススメします。

 

アフターピルは「望まない妊娠」からあなた自身を守ることができます。
万が一のためにお守りとして所持しておくとよいでしょう。